発達障害は食事でよくなる 溝口 徹 著

1.発達障害とは  神経発達障害 自閉症スペクトラム 臨機応変なことができない。冗談が通じない。表情が読み取れない。こだわりが強い。自分の決まったやり方にこだわる。驚く集中力を発揮するときがある。注意欠陥多動症(ADHD)。注力にかける。衝動性、待つことができない。不注意(ADHD)、忘れ物が多い。発想がユニ-ク。不注意は加齢によって改善しにくい。字の読み書きができない。計算ができない。学習障害について勉強ができないということでない。チック症があっても育て方が間違っているということでない。LD、ASD、ADHDのどれかの1つの範疇に入るということではない。マイナス面ばかりでなくプラス面もある。根本的な解決は栄養学的な解決を目指す。劇的な環境変化で成人していても発達障害に気が付くときもある。勉強ができる人が多い。小中高では生活がパタ-ン化されているので困ることなく過ぎ気が付かない場合がある。発達障害ではなく何らかの精神疾患と診断されることが多い。発達障害は栄養のトラブルである。特に大学生はコロナのこともあり心の病もあり発達障害があるのでないかと考えられる。それと発達障害自体も急増している。

成長に応じた症状の変化  乳幼児期は人より物への興味がつよい。育てにくいと感じる。児童期(小学生まで)座っていられない。対人不審。思春期は同年齢のグル-プに入れない。自己肯定感の低さ。成人期は就労が続かない。子育てができない。成人してから発達障害があったのにこれが現れたら何らかの精神疾患と診断される。違和感や生きづらさを感じる。精神疾患は不安障害、脅迫障害、うつ病、統合失調症と診断され抗うつ剤の投薬をされたりする。しかしこれによってさらに悪循環を生む。さらなる2次障害である。発達障害の子供は栄養障害を持っている。長期間の引きこもりは発達障害が疑われる場合がある。

発達障害の共通事項 血液検査で分かってきたこと 低血糖症であること。この場合は急速に血糖値が上昇しそして一気に血糖値が急降下する。このような場合、発達障害に共通する。農薬の使用率は日本は韓国に次いで多い。母体の栄養状態は胎児に影響している。2型糖尿病、脂質異常、生活習慣病は母体の栄養状態による。現代の母親が栄養不足、精神疾患である。高インスリン血症児が生まれる。特に帝王切開の場合はブドウ糖の点滴をする。これが高インスリン血症児を生む。糖質が発達障害の症状悪化を生む。重要なのは血糖値の乱高下を抑え安定させる。

 

3.発達障害は腸から始まる    小麦と乳製品の問題 小麦のグルテンはふわふわ、もちもち感に含まれる。ところが腸の免疫システムが敵とみなして攻撃する。これが炎症を引き起こす。慢性的疲労感や下痢、頭痛、肌荒れ、アトピ-等を引き起こす。発達障害を引き起こす。麦とつく食品はすべて避ける。腸の炎症をひき起こす。脳に中毒性を引き起こす。全身に毒性物質をためる。麦のプロリンは分解されず小腸に入って粘膜に入って炎症を起こし体内に入ってアレルギ-反応を起こす。プロリンはモルヒネとそっくりである。これによって中毒症状を起こす。これは細胞に毒性物質をため解毒作用を弱める。発達障害の子供は脳の細胞の解毒能力が落ちている。すなわち腸の炎症は脳の炎症をひい起こす。したがって食物は脳に影響する。食生活の改善が重要である。

IgGアレルギ- 食べたものによっては時間がたたないと症状が出ないし、炎症が多岐にわたるためきづきにくい。したがってちゃんと記録をとっておく。対策は血液検査をしておくこと。しかし血液検査は高額なので2週間食べたものを記録して症状が出たものを決定する。例えば小麦製品と乳製品を2週間やめてみる。体調が改善したらそれが原因である。不調は腸から始まり脳をはじめ全身に広がっている。

発達障害の炎症       炎症と体の不調を示すサインである。花粉症は目や鼻の粘膜の炎症のサインである。コルチゾ-ルは炎症を鎮めてくれる副腎皮質ホルモンであるが、人体がコントロ-ルできないので オメガ3系は炎症を鎮めてくれる油がある。てじかなところではDHA、EPAの豊富な青魚に含まれる。今はオメガ3とオメガ6があるが今は脂肪酸はオメガ6ばかりになっている。揚げ物、インスタントラーメンとかコーン油などオメガ6の油ばかり取っている。もう一つはDHAである。これは強力な消炎作用がある。脳はタンパク質が40%、油が60%さらに、この油の内訳はコレステロ-ルが50%でリン皮質が25%でDHAが25%である。コレステロ-ルが不足がするとうつ状態、衝動性になる。血液脳関門(血液から組織への物質の移行を制限する仕組み。 通常生体内で,物質は組織と循環血液との間を物理的化学的な法則の下,自由に移行(取り込み,排出)している。 一方,組織への血液中からの物質の移行は,厳密に制限されている。 これを血液脳関門という)を通過できるのはDHAだけである。DHAは脳と網膜に取り込まれ改善していく。非常に重要な栄養素である。他の効果としては抗炎症作用、抗アレルギ-作用、学習作用、乳がん、肺がん、血中脂質低下作用、血中のコレステロ-ルの低下作用、網膜反射の改善、血圧降下作用、抗血栓作用(血症板凝固低下)、細胞内のグルタチオン(重金属、環境ホルモン、農薬を解毒作用がある)の濃度を上げる。このデトックス機能を高めるのが亜鉛である。発達障害においても亜鉛が必要である。SOD(体の錆を抑える、活性酸素を抑える)作用がある。発達障害に特に必要である。注意するのはDHAを単体でとること。食品でとってもDHAは非常に低くい、またEPAと一緒になったものがサプリメントとして売られているのでDHAの成分が多いものがよい。DHAは目の網膜、精液、母乳に多い。

5.症状別栄養アプロ-チ1    該当が数個あれば発達障害

低血糖タイプ  睡眠 ①寝る前に何かを食べる ②途中で起きる ③悪夢をみる ④はぎしりをする ⑤朝起きても疲れている ⑥日中に眠気を感じる

衝動性・きれる ①切れやすい・怒りっぽい ②おなかがすくとイライラしがち ③甘いものを食べたらおさまる ④はぎしりをする ⑤午後にいらいらする 糖の代謝でビタミンB群の不足 対策としては血糖値の大きな変動を作らないこと、上手に捕食すること、慣れてきたら筋トレをする 食事は肉、野菜から食べてご飯はさいごにする   必要なのはココナッツオイル、ビタミンB、ナイアシン

 

以下はビタミンB群の不足 

不安・ネガチィブ 学校・職場から帰ると延々と不満をいう ②どうせ自分なんてという自己否定感がある人 ③新しい場所、場面を怖がる ④その場面でもないのに不安が繰り返し起きる ⑤物事をポジティブにとらえられない ⑥抑うつ感がある、うつ病といわれたことがある

不注意 ①忘れ物が多い ②ルーチンが身につかない ③整理整頓ができない ④ゲーム・読書など特定のものに集中する ⑤冷たいといわれる ⑥混雑した道を歩くと人にぶつかる ⑦車の免許試験で良く減点される

こだわり・敏感さ  ①決まった道しか歩かない ②時間できっちり決めている ③決まったパタ-ンが壊されるといやがる ④同じ食べ物を食べ続ける ⑤明るいところが苦手 ⑥飛行機・サイレンの音が苦手 ⑦触覚が敏感 くすぐったがり

対 策 ビタミンBを早く消費されないようにすること 動物性んぱく質をとること

 

6.症状別栄養アプロ-チ2

①消化管不良タイプ ②便秘や下痢が多い ③乳製品を好んで食べる ④蕁麻疹が多い ⑤花粉症・アトピ-性皮膚炎 ⑥ジャンクフ-ド・スナック菓子をよく食べる  このような項目が1つでも当てはまる人グルテン(小麦粉に水を加えてこねることでできる成分のこと)カゼイン(牛乳に含まれるタンパク質の一種)を控えること飲酒を控える、暴飲暴食をしない。

1週間に1回は腸を休ませるために12時間の絶食(別に困難なことでなく朝食を抜くだけでいい)をすること(水はOK)ただし低血糖の人はやらない

対策:グルタミン(健康維持に欠かせないアミノ酸)を摂取すること。ビタミンA,Dがいい。乳酸菌やビフィズス菌(ヨーグルトはダメで発酵食品から摂取する)

ナイアシン不足タイプ

①チック症候(自分の意志とは関係なく身体の一部が動く)②吃音がある③環境変化やストレスでチックや吃音がひどくなる。  チックは親が「やめろ」といってもやめられるものではないので「やめろ」と言ってはいけない。

対策:嫌だなと思う人とは距離を置く。会わない。気分が良くなるものを置く。

必要なものは ナイアシン、ナイアシンアミド、ビタミンB群

鉄不足タイプの場合

①運動神経 歩き方がぎこちない マット運動・飛び箱が苦手

②多動 いつも体をゆすったり動かしたりしている ペンや鉛筆を動かし続ける 体勢を維持できない

③対策 ヘム鉄(動物性たんぱく質で肉類をとる)を積極的にとる。一緒にビタミンB群とアミノ酸もとる。(アミノ酸キレ-ト鉄でないのは藤川徳美氏の意見と違う) 

 

7症状別栄養アプロ-チ3

DHAが不足しているタイプ 

Ⅰ人間関係・コミュニケ-ション

①同世代との人間関係が苦手 ②大勢の飲み会、井戸端会議は苦手 ③疎外感を感じる ④いじめにあっている ⑤友達がいないかは少数 ⑥口論になることが多い ⑦自分のことがわかってもらえない

Ⅱ学習に ついて

①テストの点が平均以下が多い ②漢字が苦手 ③算数の計算ケアレスミスが多い ④文章題が苦手 ⑤黒板の内容をノートに写せない ⑥図画工作は独創的 ⑦音楽は得意

Ⅲ言語について

①年齢に応じた会話ができない ②その場に応じた会話ができない ③伝えたい言葉にならない ④チャットやメールは比較的楽にできる ⑤質問に対して的外れな答えをする

総じてインプットはできるがアウトプットができない、が栄養状態が良くなると求められる説明ができるようになり会話もできるようになる。積極的にDHAをとっていくようにする。

体内に炎症があれば先に炎症を鎮めるためにDHAが使われるので先に炎症を鎮めていくおくことが重要。

必要なのはDHA、亜鉛、グルタミン、グリシン、ビタミンD (絶対にヨーグルトからとってはいけないので発酵食品からとる)

 

8.改善に役立つ5つのポイント1

糖質制限をすればいいということでなく糖質コントロ-ルで血糖値を安定させること。すなわち食事ををしても血糖値が緩やかにあがり緩やかに下がることが重要。1日3食にこだわらない。少量を食べ1日5食にしてもいい。発達障害の人は糖新生(脂質やアミノ酸など糖質以外の物質からグルコースを合成する代謝経路。 肝臓や腎臓で行われる )がうまく行われていない。そのような人はビタミンB群が不足している。このような人は朝、夕方、夜に低血糖になって非常に疲れている。このような人は少量の糖質を時間をかけてゆっくり食べる。チョコ1かけら、飴1個を口の中でゆっくり溶かして食べること。または夜寝る前に少量の卵やナッツを食べる。人工甘味料の入った甘いもの、ゼロカロリ-のものは絶対に摂ってはいけない。理由は腸内環境を乱すからである。ビタミンB群が必要である。現代人のほとんどはビタミンB群が不足している。アルコ-ルは厳禁である。薬の服用やストレスでビタミンB群が不足する。発達障害の人はビタミンB群が圧倒的に不足している。腸内環境が悪い人はビタミンB群を作ることができない。糖質制限をしてもビタミンB群がなければ発達障害の改善にはならないので前もってビタミンB群は補充しておくこと。

タンパク質と脂質をしっかりとっておくこと。また発達障害の人は脳の回転が高回転であるので栄養が満たされていないとうまく働かない。タンパク質は肉、魚、卵から取る。毎日同じものを食べない。 脂質は良質な油からとる。

9.改善に役立つ5つのポイント2

小麦・乳製品を避ける。  グルテン(小麦粉に水を加えてこねることでできる成分のこと)カゼイン(牛乳に含まれるタンパク質の一種)を摂取しない。小麦や麦とつく食品は避ける。麺類は避ける。パン、ピザ、シリアルなど小麦入っているもの、お菓子類は避ける。乳製品、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどがNG。例外的にバタ-のなかでギ-バタ-(カゼインを除去したもの)はOK。バタ-コヒ-など。こうなると食べるもがなくなってしまいそうだがそんなことはない。

大好物の中に心身不調の原因になるものが多い

2週間小麦・乳製品を避ければ心身の改善がみられるはずである。

腸内環境を整える 善玉菌を増やし悪玉菌を減らす。発酵食品から摂取する。また食物繊維から摂取する。野菜から食物繊維をとるが十分でないからサプリメントからとる。またラクトフェリン(乳+鉄の意味)は食事からとれない。ラクトフェリンは善玉菌を増やし悪玉菌を減らす。ラクトフェリンは漬物にも含まれるが自家製のものの方がいい。腸の粘膜を強化するのはビタミンDが必要。ビタミンDは直射日光を浴びることが必要。小魚の内臓に含まれるので小魚は丸ごと食べる。

10..改善に役立つ5つのポイント3

脳にいい油をとる。糖質からとるのでなく脂質からとる。必要なのは中鎖脂肪酸でありココナッツオイル、MCTオイル(中鎖脂肪酸100%の油のことをMCT(Medium ChainTriglyceride)という。 MCTは、一般的な油よりもすばやく消化・吸収され、すぐにエネルギーになりやすい)にある。短時間でケトン体になる。抗菌作用がある。カンジダ菌(発達障害、自閉症の人が多い)に有効に作用する。発達障害の人にはオメガ3系の油(DHA)がいい。

 

運動と休息を取り入れる 体調が良くなれば筋トレを行う。食事をした直後に15~20分の散歩をする。40分の作業で20分の休憩をする。40+20=60分のセットで行う。20分の休憩が重要でこれはビタミンB群の大量消費を防ぐことである。

 

終わりに

発達障害の人は生きていると実感がない。医師の問題は発達障害は二次的障害と診断される可能性がある。間違った薬を与えられると発達障害は改善しない。発達障害は日本の医学界は権威ある学会で認めなければ治療はいかがわしいものとなってしまう。

 

 

 

発達障害は食事でよくなる 溝口 徹 著

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